2021/07/07 16:06



物事が突然決まってしまうことは仕方がない。けれども悲しみを伴う。サミュエルガーウィズの人気シリーズ、4 Seasons各種の廃盤が決まってしまった。これは、Irish Spring Flake、English Summer Flake、Scottish Autumn Flake、Wintertime Flakeのことである。製造元であるガーウィズホガースがプロデュースすることを辞めることにした様だ。

この悲しい知らせは私にとって、あまりにショックが大きい。特にスコティッシュオータムフレイクにはお世話になった。バージニア葉のみのブレンドの中では、比較的エイジングすると熟成が早い。この銘柄ひとつで、色々な愉しみ方ができた。この場で感謝の意を表したい。

どれくらい嘆き悲しんだとしても、この悲しい知らせは変わることがない。我々パイプスモーカーは前へ進まなければならないのである。そこで、それぞれの銘柄がどのような味わいであったか振り返った後で、鈴栄商店的それぞれの代替品の提案をしたい。ただし、全く一緒の味わいというのは不可能に近い。「似た世界観+α」ととらえて欲しい。なので、カットの違いはご愛敬ということで。

・アイリッシュスプリングフレイク


バージニアとペリクのブレンド。シェリー樽で熟成させたお陰で、後味の独特な甘さ味わえる。そしてペリクの黒胡椒の様なスパイシーさは、バージニア葉の甘さを引き立ててくれる。ロットにもよるが、フレイクの厚さは、サミュエルガーウィズの他の銘柄と比べると薄い。必要に応じて、折り畳んで詰めるだけでなく、丸めて詰めて愉しめる。
ブレンド:バージニア、ペリク
特色:シェリー樽で熟成
50g/2100円

★後味の黒胡椒の様なスパイシーさ優先すると…
ピーターソン・エリザベサンミクスチャー


ご存知の方も多いと思うが、所謂旧ダンヒル銘柄。リボンカットで、ブレンド内容はバージニアとペリク。ペリクのスパイシーさを活かしたたばこと言える。一服のなかで後半に、黒胡椒のようなスパイシーさのあるペリクの香喫味を愉しめる。
ブレンド:バージニア、ペリク
50g/2450円

★シェリーじゃなくてラム酒だったら?…
ロバートマコンネル・スコティッシュフレイク


私にとって思い出深いたばこ。このたばこがきっかけで、たばこに関わる仕事をしている。バージニア本来の甘さとラム酒の深みのある甘さがバランスいい。ソルティなペリクと豊かな土壌を彷彿させるケンタッキーのお陰で、甘さを引き立ててつつも甘さが後に残りづらい。
ブレンド:バージニア、ペリク、ケンタッキー
フレーバー:ラム
50g/2200円

★ペリク感がより強いもの…
サミュエルガーウィズ・セントジェームスフレイク


このパイプたばこの名前の由来はとある地名からとられたのである。フランス系のピエール・シェネが作ったといわれているペリク。「ペリク」は彼のニックネームが由来といわれており、今日ペリクが栽培されている場所が「セントジェームズ郡」である。因みに英語では、"Saint James Parish"と言い、"Saint James County"とは言わない。これは、ルイジアナ州がかつてフランス領あったことが影響している。
カットはサミュエルガーウィズらしい厚めフレイクカットで、他の銘柄と比べるとペリクの割合が多い。たばこ本来の甘さが際立つことは勿論のこと、満足感のある強さはライウイスキーをチェイサーに愉しみたいものだ。
ブレンド:バージニア、ペリク
50g/2100円

・イングリッシュサマーフレイク


バージニア葉のみのブレンド。後味に爽やかさを伴うので暑い季節に合うブレンドと言える。一言で言うならば、さっぱりとした甘さであると言うべきなのか。ロットにもよるが、フレイクの厚さはかなり薄めなので、丸めて詰めても愉しめる。ブレンド用としてもGOOD👍️
ブレンド:バージニア
50g/2100円

★ブロークンフレイクだけど後味の爽やかさという意味ではコレもあり?…
マラード


世の中には色んな鳥がいるのに一体何でパッケージデザインが鴨何だろう?地味な見た目とは違い、中身は面白い。
カットはブロークンフレイク。バージニア葉本来の甘さに後味爽やかさを伴う。この爽やかさな後味は飽きることを忘れさせてくれる。日頃喫煙する銘柄としては適しているのではないだろうか。エイジングすることで深みのある甘さを味わえるので面白いぞ。
ブレンド:バージニア
50g/2300円

★リボンカットだしバージニアとバーレーのブレンドだけど、さらに爽やかさが強い!…
ロバートマコンネル・レディラブド


バージニア本来の甘さと後味に感じる爽やかなレモンを思わせるアロマは、レモンティーの様。僅かに感じるバーレーのビターさはより紅茶の様な世界観を感じさせてくれる。喫味はミディアムで普段使い向き。日常生活の中で何気ないひとときに味わいたくなる。個人的にはレディグレイを飲みながら味わいたい。
ブレンド:バージニア、バーレー
フレーバー:レモン(当店予測)
50g/2200円

・スコティッシュオータムフレイク


秋といえば、様々な農作物が実る季節である。そして、恋の季節である。
缶を開けた時のアロマは、バージニア本来の熟成が進んだ香りに、ほんの僅か、隠し味程度にチョコレートを思わせるフレーバーを感じる。甘いけれどもちょびっとほろ苦さを伴う何とも言えないアロマ。ちよっと切ない。クライマックスは終盤に訪れる。前半は優しい甘さが持続するが、終盤になるに従って、奥深さのある甘さへと変化する。このたばこは、ほかのバージニアブレンドと比べると、熟成が早い様に思える。エイジングすることでさらに深い味わいを愉しめる。
ブレンド:バージニア
フレーバー:チョコレート(当店予測)
50g/2100円

★バージニア葉の系統が似ている気がする…
ロバートマコンネル・シェイクスピア


旧ダンヒル銘柄「ジ・オールド・サイン」"Ye Olde Signe"を再現したといわれるこの銘柄。"Ye Olde Signe"は中世の頃の英語で、現在の英語になおすと、"The Old Sign"。それを連想しやすい様にと中世に活躍した劇作家「シェイクスピア」の名前をとっている。缶を開けたときに感じる、バージニア葉本来の甘さのあるアロマにスコティッシュオータムフレイクと共通点を感じる。このたばこも他のバージニアブレンドと比べると熟成が早い。よって、エイジングさせて吸い比べると面白い。
ブレンド:バージニア
50g/2200円

★ベースの葉が変わるとこんなにも違う…
ソラーニ・エイジドバーレーフレイク


※現在は丸缶です。

バーレーベースの珍しいブレンド。香喫味はビターさの強いチョコレートの様。バーレーとケンタッキーが醸し出すビターさと豊かな土壌を彷彿させるアロマがメインで、奥底にたばこ本来の甘さを感じる。比較的強いたばこなので、食後の一服にオススメ。スコッチをストレートで、もしくはエスプレッソをお供に愉しみたい。
ブレンド:バーレー、ケンタッキー、バージニア
フレーバー:チョコレート
50g/2250円

・ウインタータイムフレイク


寒い季節に喫煙するラタキア入りのブレンドは何故こんなにも美味しく感じるのだろう。スモーキーなアロマが鼻腔をくすぐる時、寒い季節でよかったとすら感じる。
勿論、ラタキアのスモーキーさがお好きな方はどんな季節であろうともこのブレンドを味わえるはずだ。
このウインタータイムフレイクは、ラタキアの割合が多い。謂わばバルカンブレンドである。しっかりと感じるラタキアのスモーキーさは満足感を与えてくれるだろう。たばこ葉を折り畳んで詰める瞬間ですらそのスモーキーさを愉しめる。比較的強めなたばこなので、肉料理の後の喫煙にオススメ。
ブレンド:バージニア、ラタキア
50g/2100円

★比べるとちよっとラタキア感弱いけれど……
サミュエルガーウィズ・バルカンフレイク


サミュエルガーウィズの銘柄の中でも人気の高い、バルカンフレイク。パッケージデザインをよく見ると、バルカン半島のシルエットになっている。ラタキアのスモーキーさがメインキャラクターでありながら、バージニア葉本来の甘さもちゃんと感じる。このバランス感覚は面白い。大胆かつ繊細である。比較的強めなたばこなので、食後の一服に、オススメ。
ブレンド:バージニア、ラタキア
50g/2100円

★オリエントのフローラルさを若干感じるかもしれないけれど…
ジャーマイン・スペシャルラタキアフレイク


イギリスのジャージー島で製造されているスペシャルラタキアフレイク。このたばこは名前の通り、ラタキアの割合が多い謂わばバルカン系である。若干フローラルさを伴う豊潤なアロマを持つオリエント葉はスモーキーなラタキア葉を支えるキーパーソン。バージニア本来の甘さは僅かに干し草の様なアロマを伴うがしっかりとした甘さを持つ。このブレンドは比較的強いので食後の一服にオススメ。個人的には強めなバーボンを片手に味わいたい。
ブレンド:バージニア、ラタキア、オリエント
50g/2100円

※当店には、Irish Spring Flake、English Summer Flake、Wintertimeの在庫がございます。ですが、English Summer Flakeは残りわずかです。お早めに♪
※Scottish Autumn Flakeは当店においてもすでに売り切れてしまいました。