マストロデパヤ・シェル・ブライヤー・フルベント

マストロデパヤ・シェル・ブライヤー・フルベント

イタリアの老舗パイプメーカー、マストロデパヤ。遊び心と実用性を兼ね備えている。大きめなボウル、深めなサンドブラスト。このパイプは厳密に言えばこのパイプは「ペーザロ」(Pesaro)というシリーズのひとつである。イタリア北部のエーゲ海に面した観光都市が名前の由来である。

際立った深めなリンググレインと、注意深く見て初めて気が付くストレートグレインの面影。サンドブラスト加工を数回にわたって施すことで、こんなにもはっきりとしたリンググレインが現れるのである。尚、握りやすいように表面をわざわざ滑らかに仕上げていることから、職人の優しい人柄を読み取ることができる。

ボウルトップ、刻印がある箇所、マウスピースに埋め込まれたブライヤーにはライトな染料を用いられている。それにに対して、サンドブラスト加工を施したところには、赤みがかった茶色の染料が使用されている。

この様に染料を使い分けることで、新たなコントラストが生まれるのである。リンググレインを引き立てるボウルトップにまるで、スポットライトが当てられたかの様な。映画や喜劇において、引き立て役は主役を引き立てる役柄であるが故に、地味な存在になってしまう。そこで、優れた職人は、ボウルトップの染色をあえて明るい色合いにしたのである。

たが、それだけではない。ボウルトップがより立体感溢れて見えるのは一体何故だろう？火皿一周するように隠れたエッジの存在のお陰である。そう、コレこそが職人が仕掛けたトリックなのだ。この隠れたエッジから火皿へ向かう様に、面が下り坂になっている。書斎の照明が火皿を照らした時、薄っすらとエッジに沿って反射する。その光と影のコントラストから、ボウルトップがまるで浮輪の様な丸みを帯びている様に感じるのだ。

細かい箇所までこだわり抜いた一本といえよう。普段使いには勿論のこと、ロッキンチェアに深く腰を掛けてじっくり考え事をしたい時に良いだろう。思考を深めるとっておきの一杯も忘れずに(私のオススメはクロンダイクハイボール)…

スペック
全長:約133mm
高さ:約47mm
火皿内径:約21mm
火皿内径:約37mm
重さ:約62g

※当店で取り扱う商品は、道具として使用することを前提としております。微細な傷など状態を気になさるお客様は、必ず店頭で実物をご確認ください。よろしく御願い致します。

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