BC・シルバーバンド1601

BC・シルバーバンド1601

ジュラ山脈の麓にある小さな町、サンクロードにあるブッショカン(BC)は、フランスを代表するパイプメーカーのひとつである。

このシルバーバンドシリーズは、所謂スピゴットと呼ばれるスタイルである。スピゴットとは、アーミープッシュかつシャンクとマウスピースに銀巻きが施されているもののことである。スターリングシルバーを贅沢に使用している。アーミープッシュは第一次世界大戦頃に生まれたと謂われる。これは、戦場という過酷な状況下においてもシャンクやマウスピースが壊れにくいパイプを、という軍人のリクエストにパイプ職人がこたえた結果らしい。スピゴットは銀巻きを施すことでさらに強度を高めている。

この1601は、正統派なビリヤード。浅めにかけられたサンドブラスト加工は、ボウルを握りやすい様にという職人の優しさ。注意深くボウルの様子を観察すると、スムース仕上げとは異なるバーズアイの魅力に気がつくだろう。あえて黒く染色を施すことで、実際に持って眺めてみて初めて木目に気付く仕掛けとなっている。

マウスピースを見てみよう。BCの刻印が、現在のものと比べると字体が異なる。この刻印は昔のものであるとすぐにピントくるだろう。その光沢と質感はエボナイト製である証。現在ではマイナーな原材料となってしまったが、優しい歯応えが多くのパイプスモーカーを魅了してきた。現在市場で出回っているBCのパイプの中で、エボナイト製のマウスピース仕様のものはどのくらいあるのだろう？尚且つ、スターリングシルバーを贅沢に使用したスピゴットならば激レアアイテムといえるだろう。

銀巻きは長い間愛用することで、表面の酸化が進み黒ずんでくる。もちろん、銀磨きで磨けば元々の輝きを取り戻すことができるが、この変化も味のうち。長年愛用するなかで色合いが変わって行く様を愉しめるのである。

スペック
ボウルの高さ：約49mm
ボウルの深さ：約40mm
火皿内径：約21mm
全長：約150mm
重さ：約43g
マウスピース:エボナイト製

【9mmフィルター使用可能】

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