ポール・ウィンズロウ ヴァイキング・ブランデーグラス・パーシャルラスティック

ハンドメイドパイプを製作することは決して容易いことではない。時には、移り変わるシェイプや大きさのトレンドに合せてパイプを製作することも重要な仕事なのである。そう、謂わばマーケティングを行いながらシェイプや仕上げ等を決めなくてはならないのだ。優れたパイプ作家であるほど、どういう愛煙家が自分のパイプを愛してくれるかをシュミレーションしている様に思える。

どの様な時代や状況にあっても、「新しい風」を吹き込むことは重要なことである。パイプ喫煙というニッチな世界を絶やすことなく持続させるためには、若年層のパイプスモーカーを増やすことが先決なのである。

今までのヴァイキングは大きすぎた。もしかすればまだまだパイプ喫煙始めたてのビギナーにとって、そのダイナミックさが敷居の高さを感じさせていたのかもしれない。その結果、作家パイプの魅力を知る機会が失われ、場合によってはパイプ喫煙を辞めてしまった方もいらっしゃるだろう。

歴史を思い出せば、19世紀頃ヨーロッパにおいて、パイプ喫煙は庶民的なものであった。一方シガレットは富裕層向けであった。そう考えると、パイプ喫煙は本来気軽なものなのである。

今回入荷したヴァイキングシリーズは、気軽にちょっとした時間にパイプたばこを愉しめそうな小ぶりなシェイプが勢揃いだ。

このパイプは、パイプ文化が全盛であった1950年〜60年代を振り返りながらも、今の時代にフィットさせた作品といえよう。敢えてフィッシュテールのマウスピースを用いていない点は特に、古き良き時代のオマージュ。当時はフィッシュテールよりもこの様なマウスピースが一般的であったのである。こうすることで、パイプがよりスタイリッシュに見えるのである。

ゆらゆらと揺れるファイヤーグレインときめ細やかなラスティック仕上げが融合した結果、不思議とファンシーさとワイルドさが丁度いい塩梅に交わっている。ボウルとシャンクのバランスを考えると、マウスピースは若干であるが短めに感じる。これは、持ち運びしやすいようにという想いが具体化した結果なのである。

窓から見える澄んだ冬の夜空、充分過ぎるくらい暖かいストーブ、マグに入れたホットワインを片手にパイプたばこを味わいながら、今年を振り返る。そんな時には勿論のこと、喫煙可能なカフェへお出かけの時にも良きパートナーとなりそうだ。

※このパイプのマウスピースには王冠(クラウン)の刻印を打ったときに生じたと考えられるキズがあります。微細な傷など状態を気になさるお客様は、必ず店頭で実物をご確認ください。よろしく御願い致します。


【スペック】
全長:約130mm
高さ:約46mm
火皿内径:約18mm
火皿深さ:約38mm
重さ:約43g

【9ミリフィルター使用可能】

※当店で取り扱う商品は、道具として使用することを前提としております。微細な傷など状態を気になさるお客様は、必ず店頭で実物をご確認ください。よろしく御願い致します。

※ご購入前に必ず、特定商取引法に基づく表記のご確認をお願い致します。

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